家督相続が適用されるほど長年放置された土地の名義変更を行ったケース
- 2024.03.21
状況
和歌山県海南市にお住まいの60代の相談者様から、「何世代にもわたって相続登記を行っていない土地があり、名義が曽祖父のままになっている状態です。この土地は昭和の初めや大正、場合によっては明治の時代から名義変更されていないことも考えられます。家系が代を重ねるごとに、子や孫へと家族が増えていき、相続人の数も多くなっています。このような状況で相続による登記手続きを進めるには、どのような手順を踏めば良いのでしょうか?」というご相談がありました。 大正や昭和の時代に起こった相続の場合、家督相続の可能性を考慮する必要があります。家督相続とは、日本の旧民法下で用いられた相続制度のことです。昭和22年(1947年)5月2日以前に相続が開始した場合に適用されることがあります。この制度では、一般的な相続とは異なり、特定の相続人(通常は長男)が家の財産を一手に引き継ぐことを指します。家督相続は、家(家系)とその財産を守ることを目的とし、家業や家名などを継承するための制度でした。しかし、この制度は家族内の不平等を生むことがあり、現在の民法では適用されていません。 この家督相続が適用された場合は、相続人の数もかなり限られてくるため、手続きも大幅に楽になってきます。
当事務所からの提案&お手伝い
家督相続が適用される場合、特定の相続人(長男)が単独で遺産を相続することになります。つまりこの家督相続が適用されると、長男以外の相続人(次男や長女)は相続手続きから外れることになります。この状況を鑑みて、ARIAグループではまず、家督相続が適用されるのかどうかを正確に調査しました。家督相続が適用されるかどうかで、全体の費用もかなり大幅に変わってくるためです。 調査の結果、今回のケースでは家督相続が適用されることが判明しました。これで当初に想定していた相続人の数は大幅に減ることとなりました。相談者様からは家督相続が適用されて、相続人の数が減るのであれば手続きを続行したいと事前に聞いていましたので、そのまま相続人調査へと移りました。調査を進めていくと、それでも20人を超える相続人がいることが判明しました。該当する相続人の住所の特定を進め、各相続人との協議を円滑に進めるための支援の準備に入りました。関係者全員が納得できる形での遺産分割に向けて、遺産分割協議書の作成および関係者への説明のためのお手紙をお送りしました。
結果
結果として、約1年かかりましたが、全相続人から遺産分割協議書に署名捺印をいただき、無事相続登記を完了することができました。この事例は、相続手続きを放置してしまうことのリスクを顕著に表していました。相続登記は、時に多くの相続人が関わる複雑さを伴いますが、適切な準備と協力体制によって、円滑に手続きを進めることが可能です。 もし相続に関するご不明点やお悩みがございましたら、ぜひARIAグループにご相談ください。経験豊富な専門家が、皆様の貴重な財産を守り、相続手続きをサポートいたします。まずは無料相談に是非お越しくださいませ。
2013年 関西大学法学部に入学
2017年 卒業と同時に司法書士試験の勉強開始
2019年 令和元年度司法書士試験に合格
2020年 大手司法書士法人に勤務
2021年 ARIA司法書士事務所を開業
2023年 司法書士法人ARIAグループを設立